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消費税に潰されない為に

納税時期になって、「消費税が払えない!」と慌ててしまう事業者は少なくありません。

消費税が8%に増税され、今後10%に上がるのも時間の問題なわけですが、この消費税による倒産リスクと言うのは非常に高いのです。

消費税は税金の中でも滞納状況1位で、滞納額は法人税の2.5倍です。

法人税や所得税は利益が出た時だけ支払う税金です。

利益が出ている事が前提で課税されるものですので、税率の高さはさて置き、一定の納得感はあります。

しかし消費税自体は売上税のようなもので利益は関係ありません。

売上が大きく、利益が出ていない場合は単純に経営を圧迫するだけの税金です。(商品やサービス価格に転嫁出来なかったり、転嫁する事で業績に影響を与えることは避けられないので、単純に「消費者から預かっているお金だから払えない方がおかしい」と言う結論は短絡的過ぎると思います。)

消費税の計算方法のページにも記載していますが、

消費税の納付額 = 売上に係る消費税 – 仕入等に係る消費税

となりますので、例えば、消費税がかかる売上が月商500万円とし、消費税がかかる仕入れや経費が月300万円かかるとします。

尚、人件費は消費税がかかる仕入れには含まれませんので、仮に人件費が月200万だとするとこの時点で既に利益はゼロです。

利益ゼロであれば、法人税は住民税を除きかかってきませんが、消費税が何と200万円(課税売上500万円−課税仕入300万円)×8%=16万円がかかってくることになります。

これは1ヶ月でかかる金額ですので、1年にすると、16万円×12ヶ月=192万円になります。

この金額、利益ゼロなのに期末に払えますか?(実際は消費税の課税期間は原則として1年となっていますが、中間申告制度があり、半期で一旦納税(このケースで言えば81万円の納税)することになります。)

もちろん、これはあくまでも「利益ゼロ」の場合のシュミレーションなので、期末に192万円もの消費税となると苦しいのは当然ではありますが、売上高経常利益率3%程度と言う極めて平均的な数字で考えても、この場合の利益は月15万円程度(500万円×3%)。

利益が出ているわけですから、この場合には法人税がかかってきますし、そもそも消費税分すら貯金出来ていないことになります。

消費税に潰されない為には、そもそもの業績を上げて行く努力と雇用か外注かの判断、そして毎月多少の利益が出てもそれを強引に利益ゼロとするのではなく、消費税用の別段預金でも作ってそこに毎月コツコツ積み立てて行くことが大切です。

目先の経営がキツくなると、預かり消費税に手を付けたくなる気持ちもわからなくはないですが、それに手を付けてしまうと結局期末に困るだけのことになります。

毎月の経費としての感覚で、年間納税しないといけないであろう消費税分は別に分けて、その上でどの程度の業績か、どの程度のキャッシュが別に積み上がっているのかと言った管理方法がお勧めだと思います。

私自身も実践している方法ですが、毎月通常使っている口座から別段預金口座に消費税分の概算金額を引き落としにしています。

期末に一気に来るのは本当に辛いですよ。

その一方で毎月コツコツ貯めていれば、それをそのまま納税に充てるだけですので、慌てて銀行に納税準備資金の融資を受ける為に走ることもありません。

参考:納税資金とは?

遅かれ早かれ消費税分も納税しなければならないわけですから、毎月の資金繰りの計算には一切入れない考え方で徹底することをお勧めします。

尚、消費税は増税されますが、その代わりに年金受給に対する大きなメリットがトレードオフで決定しました。

詳しくはこちらのページの「バンザイ消費増税!」の項目をお読みください。

人によっては、消費増税を歓迎する内容にもなっているはずです。



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