合同会社(LLC)の基礎知識、株式会社との比較、設立手続を詳しく解説。合同会社(LLC)設立代行サービスを格安でご提供。

合同会社の定款作成をアドバイス

定款に書く事業目的と許認可の関係

定款内に必ず記載しなければならない事項として、「事業目的」があります。

営業許認可が必要な業種一覧でも書いたのですが、事業の中には定款に記載しただけは行うことの出来ない事業が相当数あります。

多くの方が「定款内に事業目的として記載した事業は、全て許可を取らないといけない!」と誤解されているのですが、そんなことはありません。

例えば、飲食店の経営を開業後すぐにはやらないけど、将来的にやるかもしれない・・・・・

このような場合は、定款内の事業目的の中に、「飲食店の経営」との文言を入れておきます。(逆にこの文言がないと許可がおりません。)

そして、実際に会社を設立して開業し、数年後、「さあ、そろそろ資金も貯まってきたし、飲食店の経営をはじめようかな!」そう思い立った際に、許可取得の手続を取れば良いのです。

将来的にやる予定の事業に関しては、予め定款内に書いておけば、いざ事業を始める際に定款変更や変更登記をする手間が省けますので、入れておくことをお勧め致します。やらないのであれば、許可を取る必要もないわけですから、特段デメリットはありません。(ただし、あまりに事業目的をズラズラと書き連ねるのは、第三者からの信用面の観点からもお勧めできません。)

資金調達方法

合同会社の資金調達方法も特に株式会社の資金調達方法と変わりません。

新創業であれば、国民生活金融公庫からの融資或いは制度融資(信用保証協会付き銀行融資)を選択することになるでしょう。

融資可否は、事業計画次第でもあるのですが、それ以前に合同会社の場合はまだ株式会社に比べ知名度が低い懸念材料もあります。

金融機関から、単なるペーパーカンパニーだとか、趣味レベルの起業などと思われて融資が受けられないなんてことは避けたいものでしょう。

そのためには、資本金額をある一定額きちんと設定して登記しておくことが望ましいです。

必ずしも資本金が少ない=熱意・真剣度がないというわけではないでしょうが、会社の資本金額と、あなたの事業にかける熱意、真剣度に対する金融機関からの評価は必ず比例します。

合同会社は設立費用が安いこともあり、資金的に余裕がない方が選択する法人形態でもありますが、開業後の資金調達は必ず考えておきたいものですね。

合同会社の税金

合同会社の税金は株式会社の場合と税率が違うのですか?

と言う質問も良くいただきますが、実際に合同会社か株式会社かの区分で税率が異なることはありません。(両者共に法人ですから、同じ様に法人税がかかります。)

個人事業の場合、税金は所得の多さに応じて下記のように変わります。(いわゆる累進課税です。)

所得330万円以下  → 税率10%
所得330万円超~900万円以下の部分 → 税率20%
所得900万円超~1,800万円以下の部分 → 税率30%
所得1,800万円超の部分 → 税率37%

例えば、個人事業主で年間所得が500万円の場合をシュミレーションしてみますと、

500万円の内、330万円の部分=税率10%→33万円 + 500万円の内170万円の部分=税率20%→34万円

【合計税額 67万円】 となります。

一方法人の場合は、

所得800万円以下 → 税率22%
所得800万円超の部分 → 税率30%

と、簡易化されています。

法人の所得が500万円の場合、税率22%をかけて、税額は110万円にもなります。

上記金額だけ見てみると、同じ500万円稼いだとしたら、法人の方が多く持っていかれているように見えますが、法人の場合、事業主への給料を「経費」とできます。個人事業は経費と出来ません。つまり、個人・法人で同じ500万円を稼いだとして、法人の場合の役員報酬が年間400万円だった場合、

個人事業主の税額 → 67万円

法人の税額 → 22万円

となります。(もちろん、個人の給与に対しても税金はかかりますが、複雑になりますのでここでは省略します。)

また、他にも生命保険加入などの「福利厚生費」も法人の場合は経費計上が可能ですが、個人事業主の場合は経費計上が出来ません。

このように、法人においては経費計上が認められた部分が個人事業主よりも多い上に、課税部分が簡素化されている(累進課税ではない)ため、利益が出ている状態であれば、結果的には個人事業主よりもお得になることが多いでしょう。

逆に利益が出ていない場合(赤字の場合)でも、法人の場合は「法人住民税」が年間7万円必要になります。

上記を踏まえ、ご自身が行うビジネスが、きちんと利益を確保できるものなのかどうかを見極めて起業形態を判断されると良いと思いますが、基本的には誰だって儲かるつもりで事業をやるわけだと思いますので、私は最初から法人としてスタートするのが後々のことを考えるといいのかなとも思います。

構成員課税とは(パススルー課税)?

また、合同会社の税金に関してもうひとつ言及しておきたいと思います。

何かと言いますと、「構成員課税(パススルー課税)」です。

本来この合同会社(LLC)の制度はアメリカから取り入れられた制度なのですが、アメリカのLLCの場合、「構成員課税(パススルー課税)」と言って、各法人には直接課税されず、各社員にそれぞれ収入に応じて課税され、更には個人の他からの収入(或いは損失)と損益通算できるという大きなメリットがあります。

日本においては、法人である合同会社に法人税課税をしないことを認めるのはいかがなものか?と、この構成員課税制度は認められなかったのですが、合同会社の数がドンドン増えていっている現状と、アメリカ後追いの日本の社会・法律・制度を見てみると、パススルー課税を取り入れる法律変更になる可能性はないとは言い切れないでしょう。

ちなみに、LLP【有限責任事業組合】は構成員課税が認められています。また、LLPは民法組合の特例として認められた「組合」であり、法人(会社)ではありません。(従って、法人税が課税されないパススルー課税が取り入れられたのでしょう。)

会社ではありませんので、会社法の適用もありません。(有限責任事業組合契約に関する法律適用)

名刺への記載方法

お客様からよく頂く質問の中に、

合同会社の社長の場合、名刺に記載する肩書きは何なりますか?

と言うご質問があります。

合同会社の場合、法律上(登記上)、「代表社員」と言う呼び名になります。

名刺には、 代表社員 山田太郎 と記載するのが通常です。

株式会社の社長「代表取締役」と記載すると誤解を招きますので(実際に違いますし)、きちんと代表社員と記載しておく方が良いでしょう。CEOと英語表記することは特に問題ないでしょう。

代表「社員」と付くと、どうしても一般の方には「従業員」と言うイメージがつくようなのですが、ここで言う社員とは法律上の肩書きであり、従業員とは意味合いが違います。あくまでも呼び名だと割り切りましょう。

また、会社名に関しては、英文で名刺や会社案内に載せても構いません。

合同会社WITHNESS だとすると、 「WITHNESS LLC」とか、「WITHNESS Limited Liability Company.」などと記載することになるでしょう。

合同会社の定款作成をアドバイス

定款変更について

合同会社の場合、定款変更は「総社員の同意」を持って行うことが原則です。

大体定款に記載する文章としては、下記のようになります。

(定款の変更)
第 ○○ 条 本定款の変更は、総社員の同意によってこれを行う。

ただし、総社員の同意による定款変更はあくまでも原則ですので、定款に別段の定めがある場合には、他の定款変更方法を定める事も可能です。

例えば、

・定款の変更は代表社員がこれを行う。

と言うように、代表社員に定款変更の権限を与えることも可能ですし、

・定款の変更は業務執行社員の総意によりこれを行う。

と言うように、単に社員(有限責任社員・出資者)ではなく、業務執行社員全員の総意で定款変更を行うと定めることも可能です。

もちろん、これら意外にも定款に別段の定めを置くことは可能です。

実質1人会社であれば、「定款の変更は代表社員がこれを行う。」としておけば良いでしょう。

合同会社の定款作成をアドバイス

営業年度の決め方について

決算期は1年を超えることはできませんが、1年以内であれば自由に決める事ができます。

ここでは、簡単に賢い決算期の決め方に関してグループ分けしてみます。

○ カレンダーイヤーに合わせる決め方(1/1~12/31)

個人事業者はこのタイプしか選択できません。アメリカ法人等の外資系に最も多いタイプです。

○ 会社設立日による決め方

これは会社設立をした月を決算期とするタイプです。会社の設立日と決算期末日が近い場合(例えば、8月28日に設立&8月31日が決算期)には設立後すぐに決算事務をしなければならなくなります。また、法人設立後2年は消費税の免税事業者になれるのですが(資本金1000万円未満の場合)、その場合にも1期分をすぐに消化してしうことになります。

ちなみに、弊社で設立されるお客様の多くは、この会社設立日による決算日の決定方法を選択される方が圧倒的に多いです。

○ 国の会計年度に合わせる決め方(4/1~3/31)

日本の上場企業に多いタイプです。

○ 業務の状況を考慮に入れた決め方

これは業務の忙しい時期を避けてじっくり決算作業をしよう、というものです。決算書類作成や法人税納付期限は決算期から2カ月後になりますので、営業状態の暇な時期を予測して決めることもひとつの方法です。

○ 融資・助成金の利用に合わせた決め方

融資・助成金を受け易くするため、資金が必要となりそうな時期に最新の決算書類ができ上がるようにする方法です。又、助成金の場合、余ったら返還義務がありますので受給後も十分に使う時間があるというメリットがあります。

合同会社の定款作成をアドバイス

資本金はいくらが妥当?

当事務所にお問い合わせを頂く中で最も多いご質問がこの「資本金額」に関してです。

新会社法の下では、会社自体1円以上で設立可能となりましたので、法律上資本金の設定は自由ということになります。

逆にその自由度があり過ぎて資本金額を決めかねる方も多いようです。

では、実際はどれくらいの資本金額が妥当なのか?

まず抑えておきたいポイントとして、資本金額が1000万円未満の場合、2年間消費税の納税が免除されます。(前々年又は前々事業年度の課税売上高が1000万円以下の場合も同様に、免税事業者となります。)

ですので、当初の資本金額として、上限は900万円程度に考えておくと良いでしょう。

問題は下限ですよね。

資本金1円から設立可能と言っても、資本金額は登記事項ですので履歴事項証明書(登記簿謄本)には記載されます。履歴事項証明書は誰でも取得可能ですので、あなたの会社の資本金額を調べようと思えば、いつでも誰でも調べられるわけです。

その場合に例えば、

○ 資本金1円の合同会社A

○ 資本金500万円の合同会社B

上記2社のどちらかと取引するとしたら、どちらと取引しようと考えますか?言い方を変えてみると、どちらの方が信頼性がありますでしょうか?

資本金と言うのは、万一の際(倒産時)には返ってこないお金ですので、資本金を多く設定するということは信頼性の表れであり、事業にかける熱意・真剣度の表れとも言えます。

そういう意味では、あまり過少にならず、且つ倒産時に痛手を負わない金額で、1000万円以上にならないよう設定するのが良いかと思います。

弊社で設立されたお客様でも資本金額は様々で、最低額はそれこそ1円の方もいらっしゃいますが、上は700万円程度がMAXです。

大体多いのは、50万円~300万円程度の間でしょうか。

ちなみに、資本金1円とか、10万円とかの小さな金額にすると融資を受ける際にも大きなマイナスとなりますので、会社設立後の融資申請をお考えの方はその部分も視野に入れた資本金設定が大切になります。

また、資本金の払い込みは定款記載金額丁度を払い込む必要がありますので、資本金1円と設定すると、ATMからの払込ができず、窓口で1円を払い込むことになります。この場合、手数料の方が圧倒的に高いですし、窓口で若干恥ずかしい思いをすることにもなり兼ねませんので、最低でも1,000円に設定しておいた方が無難ではないかと思います。^^;

もっとも、ネットバンキングをご利用でしたら、そんな心配も不要ですが。

資本金額は、出資者が見つかったり、事業が軌道に乗ってより拡大したいと思えば増資したって良いわけですので(手続と費用は必要になりますが)、設立時は3ヶ月~6ヶ月程度の運転資金額を資本金として設定しておけば良いのではないかと思います。

役所は常に100%正しい?

合同会社の設立書類を提出する役所は「法務局」になりますが、この法務局の職員が言う事が必ずしも正しいことばかりではない・・・なんてことが意外によくあることをご存知でしょうか?

弊社では毎月数十件の合同会社の定款作成をしているのですが、法務局職員の中には「公証人の認証がないから受理できません!」

と、本気で言ってくる方がいらっしゃいます。

「定款の認証が必要なのは、株式会社ですよね?合同会社はいらないはずですが・・・?」

と、聞きなおすと職員の方にも理解して頂けるわけですが、そんなことを一般の方に言ってしまったら、一般の方でしたら認証が必要と思って公証役場に行き、公証役場で「合同会社の定款の認証はできません。」と言われて、足労に加え恥までかくことになってしまうじゃないのか・・・?

なんて法務局の職員とのやり取りで思ってしまうわけです。

審査をする行政の側ですから、大体のことは正しいでしょうが、実際にこのようなケースはチラホラお客様からも聞きますので、ご自身でお手続される方は十分注意しましょう。

相手も人間ですし、役所の職員が常に100%正しいとは限らないのです。

認証に関すること以外に、現物出資に関する事などに関しても法務局の方(特に地方の法務局)があまり詳しく知らないケースがあります。

一般の方はやり方がよくわからないから役所に聞くわけですが、全て鵜呑みにすると二度手間、三度手間になることもあるかもしれません。やはり、少しはご自身で勉強する必要もあるのかもしれませんね^^;

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